「大切なプレゼンの前や、重要な試験の直前に、心臓がドキドキして止まらなくなる」「夜間眠っていたらドキドキして苦しくて起きてしまう」こんな経験ありませんか?「動悸」という現象は、心臓の病気やストレスと様々な原因で生じます。
この記事を読めば
- 動悸とは
- 動悸の原因
- 動悸への対処法
について学べます。
是非最後まで読んで、必要であれば病院で相談しましょう。
目次
動悸とは
動悸は、心臓の拍動が異常に速く、強く、または不規則に感じられる状態を指します。
医学的には、分かりやすく言えば、心臓が「SOS」を発している状態です。
心臓に異常がある不整脈と呼ばれるものなのか
心臓に異常はなく、他の原因で早く動いているだけなのか
で大きく変わります。
ストレスが体に与える影響
ストレスは、アドレナリンやコルチゾールといったホルモンの放出を促し、心拍数の増加や血圧の上昇を引き起こします。これらの反応は、短期間であれば生存本能の一部として機能します。
例えば、プレゼン前の一過性の緊張などで心拍数が上昇するのは生理的な反応となります。
しかし、長期間にわたると心身に悪影響を及ぼす可能性があります。
リラックスするはずの寝る時などに動悸を感じてしまう人もいます。
動悸の原因
もちろん、ストレス以外にも動悸を引き起こす原因はあります。
以下に代表的なものを紹介します。
- 不整脈
- 甲状腺機能障害
- 貧血
- カフェインや寝不足
- 心因性
不整脈
まず確認したいのは心臓に異常のある不整脈です。
不整脈は日常生活に問題のないものから、命の危険を及ぼすものまであります。
不整脈はたくさんありますが、代表的なものを紹介します。
⚫︎心房細動
日常診療で重要となる不整脈です。
心臓が震えてしまう状態です。
高齢と共に発症率が上昇します。
高齢化社会というのもあって、年々心房細動の有病率は上昇していて、2050年には総人口の1.1%は心房細動になると言われています。
(不整脈薬物治療ガイドライン 2020年)
また、この不整脈は動悸が大した事ないとしても放置してはいけません。
心臓が震える事で、血液が固まり血栓ができます。それが原因で脳梗塞を起こすことがあります。
症状のある心房細動も症状のない心房細動も同様に脳梗塞のリスクになるので治療が必要です。
検査は心電図を行います。
健康診断でも心電図検査を行いますが、一瞬でては消えてしまう「一過性心房細動」というのもあり、心電図で問題なくても隠れている場合があるので要注意です。
動悸が生じている時に心電図検査をするのが1番効果的なので、症状が長く続く場合は病院で検査しましょう。
甲状腺機能障害
バセドウ病と呼ばれる甲状腺ホルモンの異常で動悸や不整脈が起きる場合があります。
上記の心房細動が発生する場合もあるので要注意です。
バセドウ病に関してはこちらの記事も参考にしてください。
貧血
貧血とは体の臓器に酸素を送れない状態です。
貧血があると、我々は呼吸をして酸素を取りこんでも、それを体中に運ぶ力が無くなってしまいます。そのため、息が苦しくなり、心臓も疲れてしまいます。
心臓に負担がかかり、動悸を感じます。
貧血は女性に多く見られます。月経の影響が多いためです。
その他、胃がんや大腸がんによる原因もあるので、貧血を認めたら病院でしっかり検査を受けましょう。
カフェインや寝不足
ともに交感神経を刺激します。
そのため、心臓にストレスがかかり心拍数が上昇します。
心因性
これもストレスによる影響です。
イライラ、不安、抑うつなどの精神的な影響により交感神経が昂る事で、心臓に負担がかかります。
日中に何かに集中している時は感じないけど、、夜などの落ち着いた環境で動悸を感じる場合は心因性の可能性があります。
いずれにせよ、まずは怖い動悸の原因でないか精査する事が重要です。
動悸への対処法
原因が何なのかによって変わります。
心臓、甲状腺、貧血であればそれぞれの疾患に対する薬物療法を行います。
ここでは心因性の場合に対する治療を紹介します。
心因性に対するアプローチは
- 「認知行動療法」
- 「薬物療法」
になります。
認知行動療法
こちらはストレスに対する免疫をつけるような療法です。筋トレと同じで日々行い、強くしていきましょう。
詳しくはこちらを参考にしてください。
薬物療法
薬物療法には、「西洋薬」と「漢方薬」があります。
西洋薬
いわゆる睡眠薬などでも使う「抗不安薬」や「抗精神病薬」などがあります。
効果は強いですが、副作用として依存性などがあり、常時服用する場合は適切な管理が必要となります。専門科での使用を推奨します。
短期で使う場合に良く使う薬を紹介します。
ベンゾジアゼピン系と呼ばれる薬です。
突然襲われるような不安やストレス、それに伴って動悸などが出る場合に良く使います。
単発でたまに使う分には依存性などの問題もないので大丈夫です。
安易に毎日飲むのはおすすめしません。
漢方薬
漢方薬は即効性というよりはじっくり効いていくタイプになります。
西洋薬では依存性の副作用について触れましたが、漢方では依存性はありません。そこが大きく違うところです。
ただ、漢方だと副作用がないと思っている人もいますが、精神系の漢方の場合は「間質性肺炎」と呼ばれる特殊な肺炎を起こす場合があります。
肝臓の特別な治療をしている人や、肺に疾患をか変えている人は服用する前によく医師と相談しましょう。
ここでは一部お薬を紹介します。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
こちらは他の記事でも出てきます。ストレスに伴う症状に良く使います。
「常に不安だったり、気が張っている人」におすすめです。
- 帰脾湯(きひとう)
「夜寝る時に色々考えてしまい、ドキドキ、眠れない」こんな人に効果的です。さらにストレスに対して効能upしたのが加味帰脾湯(かみきひとう)になります。
・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
「めまいと動悸のある人、色々なものに敏感な人」にむいてます。即効性があるので、めまい症状でよく使います。
最後に
動悸はさまざまな原因で起きます。特に夜間に起きた場合は不安になりますよね。
遠慮せずぜひ相談しましょう。もう動悸を我慢する必要はありません!
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