肝臓は、私たちの体の中で主要な臓器の一つです。毎日、私たちが摂取する食べ物や飲み物を処理し、有害物質を無害化する役割を果たしています。しかし、この大切な臓器がSOSを発していることに、あなたは気づいていますか?
肝臓の数値が高いという警告信号は、深刻な健康問題の前触れかもしれません。
この記事を読んで肝臓について理解し、生活習慣の改善や病院にいくきっかけにしましょう。
目次
肝臓の数値が高くなる主な原因
肝臓の数値が高いというのは、具体的にはどういうことでしょうか?それは、肝機能の指標となるAST、ALT、γ-GTPなどの数値が基準値を超えている状態を指します。
これらの数値が高いと、肝臓が正常に機能していない可能性があります。
では、なぜ肝臓の数値が高くなるのでしょうか。その答えは、私たちの生活習慣に隠されています。
①アルコールの過剰摂取
アルコールは肝臓に大きな負担をかけます。適量を超えると、肝細胞が傷つき、肝炎や肝硬変を引き起こす原因となります。
アルコールが障害をひきおこす量はアルコールをgで換算し、
男性で30g/日、女性で20g/日と言われています。
アルコールをgにしたときの目安は以下の通りです
- ビールなら500mlで20g
- 日本酒なら1合で22g
- ワイン1杯で12g
これを参考にご自身がどれくらいアルコールを飲んでいるか確認してみてください。
②非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)
現代社会で増えている病気です
いわゆる内臓脂肪です。
アルコールでも内臓脂肪はつきますし、肥満や糖尿病や脂質異常症などとも関連しています。
③ 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
こちらはアルコールと関係なく遺伝的な病気をNASHと呼びます。
これは中年女性に多い疾患です。
将来的に肝硬変のリスクとなりますので専門化での診察が必要となります。
検査は肝生検を行います。
※②,③に関しては2023年から名称を変更され、より細かい分類となります。
簡単に言うとNAFLDはMASLD、NASHはMASHに変更されました。
今後改訂が浸透していくにつれ、変更していきます
④ウイルス性肝炎
B型やC型の肝炎ウイルスは、肝臓の炎症や機能障害を引き起こします。
この2つは感染しても症状が無いことがほとんどなので、肝臓の数値が高くなったらまずチェックしましょう。
肝硬変のリスクや肝細胞癌のリスクになりますから、早期の発見が大事です。
⑤薬剤性肝障害
一部の薬剤は肝臓に負担をかけ、肝機能を低下させることがあります。
多くの薬剤が原因になりえます。
サプリメントや栄養剤なども考慮します。
たまに、サプリメントや栄養剤は関係ないと思って診察の時に言わない人もいますので、注意して聞くようにしています。
基本はやめてみてどうなるかを確認します。
⑥自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎(PBC)
これらは肝臓自体に対する免疫反応が原因で起こります。 血液検査で調べることができます。
肝臓が悪くなる原因は特殊なものを含めると様々あります。まずは上記に紹介した、原因が多く、
簡単な検査で調べられるので病院に相談しましょう。
自分の肝臓の数値を理解する
健康診断で見られる肝機能の数値には、それぞれ意味があります。
肝臓を評価する血液検査は2種類あり、「肝臓の炎症」と「肝臓の機能」をチェックする検査に分かれます。
・AST、ALT、γGTPは肝臓の炎症を表しています。
・ALB、PLT、PT-INRと呼ばれるものは肝臓の機能を表しています。
この辺の数字を参考にして肝臓の具合を評価します。
数値が高いときの対処法
肝臓の数値が高いときは、まず生活習慣の見直しが必要です。アルコールの摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
また、定期的な運動は肝臓の健康を保つのに役立ちます。
さらに、最近健康のために始めたサプリメントや健康食品などないか確認しましょう。
予防と早期発見のためのステップ
肝臓の病気は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
しかし、症状がなくても病気は進行していきます。
定期的な健康診断で数値をチェックし、早期に対処することが重要です。
特にアルコール摂取が多い人は血液検査と超音波検査を定期的に受けましょう。
さいごに
肝臓の数値が高いという警告信号は、私たちの健康にとって重要なサインです。このサインを見逃すことなく、適切な対処をすることが、健康な生活を送るための第一歩です。あなたの肝臓が発しているSOSに耳を傾け、今日からでも生活習慣の改善を始めましょう。飲酒の量を減らし、バランスの良い食事を心がけ、定期的な運動を取り入れることで、肝臓の数値を改善し、健康な体を取り戻すことができます。
定期的に内科で検査を受けましょう。
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