医師が解説!自律神経障害とは?困った症状を解消する具体的な方法!

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総合内科専門医として、皆さまが少しでも不安を解消できるように情報発信していきます。よろしくお願いいたします。

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現代社会において、多くの人々が感じる

「なんとなく調子が悪い」という状態。

それはもしかすると、

自律神経障害によるものかもしれません。

自律神経障害は、検査をしても病気と診断されにくいことが多く、

そのために多くの人が見過ごしてしまうことがあります。

しかし、放置すると本当に病気になる可能性があるため、早期の対策が重要です。

  • 「最近、なんだか疲れやすい」
  • 「夜、なかなか眠れない」
  • 「ストレスが溜まっている気がする」

そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

これらの症状は、自律神経の乱れからくるものかもしれません。

私たちの生活は、仕事や家庭、社会的なプレッシャーなどで常にストレスにさらされています。

その結果、自律神経が乱れ、体調不良を引き起こすことがあります。

この記事は、以下のような方々に向けて書かれています

  • 慢性的な疲労感や不眠に悩んでいる方
  • ストレスを感じやすく、心身のバランスを崩しがちな方
  • 健康診断では異常がないと言われたが、体調が優れない方
  • 40超えたあたりから、なんか調子が悪い女性
  • 朝起きれなくて、なかなか学校に行くのが辛い高校・大学生
  • 自律神経障害について知識を深めたい方

ぜひ参考にしてみてください。

自律神経障害とは

自律神経とは

自律神経は交感神経と副交感神経があります。

交感神経は興奮させる神経です。

動物がジャングルの中で天敵と出会った時の状態です。

副交感神経はリラックスする神経です。

のんびりと日向ぼっこしている時の状態です。

自律神経の症状

日頃、この2つの交感神経と副交感神経を切り替えて生きています。

適切に切り替えられないと、

天敵と会った時にリラックスしたり、

リラックスするはずの睡眠時に興奮して寝れなかったりと様々な異常がでます。

代表的な症状を以下に羅列します。

  • 動悸
  • 排便、排尿異常
  • 発汗異常
  • 勃起障害
  • 立ちくらみ
  • 頭痛
  • 不眠
  • 倦怠感

などを認めます

原因

様々な原因があります。

まずは病気によるものかどうかの確認が重要です。

ここで、日常診療で遭遇率の高い疾患を紹介します。

〇糖尿病

生活習慣病であり、日々の診療で良く見る疾患です。

糖尿病の合併症として、神経障害を認めます。

血液検査で糖尿病がないか確認しましょう!

〇パーキンソン病

体が硬くなり、動きにくくなる疾患です。

歩行障害や震えを認めます。

転ぶことが増えているようなら心配です。

〇その他

  • 脊髄損傷
  • アミロイドーシス
  • 多発性硬化症

などの原因があります。

実際には

明らかな原因がなく、

  • 体質的な問題
  • ストレスによる問題

などのケースが多いです。

こういう、「検査異常はないが、困っている症状」を「未病」といいます。

未病についてはこちらで詳しく解説していますので、参考にしていただけると幸いです。

ここからは「未病」という概念になる

自律神経障害について具体的な対策について解説していきます。

具体的な3つの対策

1. 漢方薬の利用

漢方薬は「未病」という西洋医学的には病気と診断されないが、

困った症状がある人に向いています。

未病とは簡単にいうと身体のバランスが崩れた状態です。

バランスが崩れる原因はさまざまです。

  • 疲労
  • ストレス
  • 暑い、寒い
  • 栄養

さまざまな原因が絡み合っておきます。

このバランスが完全に壊れてしまうと「西洋医学的にも病気」と診断されるところまでいきます。

これを整えてあげる効果が漢方にはあります。

漢方薬の効能など詳しいことはこちらをさんこうにしてください。

身体全体のバランスを整えるため、

人によって使う漢方は変わってきます。

代表的なものについていくつか紹介します。

加味帰脾湯(かみきひとう)

ストレスで眠れない人に向いています。

寝る時に悩みが止まらない

寝れない

寝不足で体も疲れてきた

こんな人に向いています。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

こちらもストレスに強い漢方です。

主に緊張しやすい人、動悸・汗などかきやすい人に向いています。

  • 人前で話すことが多いが苦手
  • 怖い上司がいていつも緊張する

このようなことが当てはまる人に効果があります。

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

この漢方は

  • 天気に弱く
  • フラフラしやすい人
  • 物音にびっくりしやすい人

に向いています。

漢方の世界では水滞(すいたい)という概念があり、天気によって体調を崩しやすい人がいます。

例えば

  • 雨の日になると頭痛がしやすい
  • 立ちくらみやめまいがおきやすい
  • 台風が近づいてくると調子悪くなる

こういう人たちが水滞(すいたい)と呼ばれる状態です。

また、この薬は若い人の自律神経障害で多い

「起立性調節性障害」に対する治療にもよく使われます。

朝なかなか起きれない→夕方になってくると元気になる。

朝の調子が悪いから学校休むが、

午後になると元気になるので、

親からすると

  • ズル休みしている
  • 学校に行きたくないのかな

などと感じることがあります。

本人は学校に行きたいけど行けなくて困っています。一度漢方を試してみましょう。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

こちらは更年期障害などに使われる代表的な漢方薬です。

ストレスカバーをしながら、更年期にまつわる症状を全体的にカバーします。

2. 運動の取り入れ

適度な運動は、自律神経を整えるために非常に効果的です。

運動をするというだけでストレス発散効果があります。

体力がないと、胃腸も弱りやすく、ストレスにも弱くなりますので、運動習慣は大切です。

また、その他におすすめはヨガです。

ストレッチ効果が身体はリラックスできます。

また、瞑想も医学的に有効であり、

うつ病の患者にも効果があると言われていますので、ぜひとりいれるといいでしょう。

3. メンタルケアの実践

メンタルケアも、自律神経を整えるためには欠かせません。

先ほども軽く紹介しましたが、ヨガなどの瞑想、

マインドフルネスなどのリラクゼーション法を取り入れることで、

心の安定を図ることができます。

瞑想などはなんかスピリチュアル的で怪しい、

どうやっていいか実感がわかない

などあると思います。

そのため、まずはメンタルトレーニングとして自分の感情を書く

  • 「メタ認知」
  • 「認知行動療法」

が試しやすいです。

こちらで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

自律神経障害は、検査で病気と診断されにくいものの、

放置すると本当に病気になる可能性があります。

「未病」の段階で対策を講じることが重要です。

具体的な対策として

①漢方薬

②運動やヨガ

③メンタルトレーニング

が挙げられます。

これらを日常生活に取り入れることで、心身のバランスを整え、健康を維持しましょう。

最後に

「なんとなく調子が悪い」と感じることは、誰にでもあることです。

病院行って、検査して

「問題ないです」

と言われると安心しますが、

症状が消えないと不安になりますよね。

この記事を読んで、その状態を放置せず、

適切な対策を講じることで、

より健康な生活を送ることができます。

自律神経などの症状は身体がSOSを発信している状態です。

本当に病気になる前に警告しているのです。

自分自身の体と心の声に耳を傾け、必要なケアを行うことが大切です。

自律神経障害に悩むすべての方々へ、

この記事が少しでも役立ち、

健康な生活への一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。

あなたの健康を守るために、今日からできることを始めてみましょう。

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