タンパク質がダイエットを加速!医師が解説する科学的根拠と方法

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総合内科専門医として、皆さまが少しでも不安を解消できるように情報発信していきます。よろしくお願いいたします。

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ダイエットに挑戦して何度も挫折した経験はありませんか?

病院で「痩せなさい」と言われるけどなかなか実行にうつせないですよね。

ダイエットに成功してもリバウンドしてしまうことはあります。

年齢を重ねると、同じような食事、運動量でも徐々に太っていきます。

かく言う私も30を超えてから体重増加を実感していきました。

今までと同じ生活をしていれば太るのは当然です。

健康のため、美容のために「痩せよう!」と考える方は多くいますが、

やり方がわからなくて、

何となくの方法で始めている方が大半です。

実際に「どうやってやればいいの?」その疑問にお答えします。

今回は色々なダイエットを試したけど、うまくいかない人、やりたいけどやり方がわからない人に「医学的に痩せる方法」を教えます。

また、「ダイエットの方法はわかるけど始まらない・続かない」こういう方に必要なのは

・行動・継続する力

が重要です。それに関してはこちらの記事を参照ください。

痩せるための3本柱

痩せるのに重要な3本柱は

「カロリー」「タンパク質」「運動」です。

特に重要なのは「カロリー」と「タンパク質」になります。

  • 「カロリー」は一定以下にして
  • 「タンパク質」は一定以上とる

この2つをクリアすれば必ず痩せます!

失敗する人の大半は

「カロリー」と「タンパク質」の2つに重点を置けていない人です。

運動だけやってみる、カロリーだけ気にする

こういう事はしていませんか?

大事なのは「カロリー」と「タンパク質」です。

では具体的にそれぞれ説明していきます。

カロリーとタンパク質が重要なわけ

カロリー

人間には1日に生きているだけで消費するカロリーがあります。これを基礎代謝と言います。

そのカロリーを下回れば痩せていきます。

具体的な成人の消費カロリーを示します。

例えば、平均的な成人女性の場合、基礎代謝は約1,200kcal、成人男性の場合は約1,500kcalです。

もちろん、体型日々の運動量、筋肉量で変わります。

1kg痩せるには?

人間が1kg痩せるには約7,000kcalのエネルギー消費が必要と言われています。

 つまり、日々のカロリーバランスを少しずつマイナスに持っていき、7,000kcalに達することが出来れば1kg痩せます。

例えば、毎日250kcalの食事を抜いていけばを作れば、約30日で1kg痩せる計算になります。

食事制限だけでやせるの?

しかし、これだけでは上手くいきません。

最初はカロリーを落とす事で痩せますが、人間の体はすぐに少ないカロリーに慣れていきます。そのため痩せなくなります。

そのためにタンパク質や運動が必要になっていきます。

最も簡単で確実なのはタンパク質です。

ここからタンパク質について説明していきます。

タンパク質とは

タンパク質をとる理由は2つあります。

  • 1つ目は筋肉を維持すること
  • 2つ目はカロリーを自動で消費すること

タンパク質が筋肉を維持する

1つはタンパク質をとる事で筋肉を維持します。タンパク質は筋肉の材料となります。体からタンパク質は生み出せないため、タンパク質が不足すると筋肉を削ることになります。

そのために、カロリー制限によるダイエットをする時にタンパク質が不足することで、筋肉が減っていき、体重がすぐに落ちなくなります。

また、筋肉が減ることにより基礎代謝が落ちていき、太りやすい体になります。

先ほども少し出ましたが、基礎代謝というものがあります。

もともと1200kcalを1日に自然と消費していた人が、筋肉が落ちることにより1000kcalしか消費しなくなります。

ダイエットのために1日1000kcalで我慢していた人が、少しダイエットを緩めてきて1200kcalにしたとします。

元々は1200kcalの基礎代謝なので、1200kcalを摂取しても問題ないですが、筋肉が無くなったことで、1000kcalしか消費できなくなっているので1200kcalでも体にとっては多いカロリーになっています。このためリバウンドが起きます。

現実的にずっと食事を我慢するのは大変なので、リバウンドしづらい体にしながら痩せていく必要があります。

タンパク質がカロリーを消費する

タンパク質をとる事で筋肉を作り替えます。

タンパク質は筋力トレーニングしてない人には必要ないと思っていませんか?

人間の体は常に新しい筋肉に作り替えようとしています。そのためにはタンパク質を必要とします。

そして、筋肉を作りかえる時にもカロリーを消費します。

そのため、タンパク質を補給することで自然とカロリーを消費していくのでカロリー制限効果にも繋がります。

また、タンパク質自体を摂取することでカロリーを消費します。

これを「食事誘発性熱産性」といいます。

摂取したカロリーの何%を消費するのにカロリーを使うかというものです。

糖質は6%、脂質は4%、タンパク質は約30%になります。

そのため、タンパク質をとるとそれだけカロリーを消費しやすくなります!

これはダイエット維持効果としても、報告があります。

総カロリーの20%程度タンパク質をとる事でリバウンドを予防してくれます。

以下に摂取カロリーに対する必要タンパク質を表に示します。

このように、タンパク質はダイエットに重要なものだとわかります。

やせるためには運動?食事?

ダイエットにおいては、食事と運動の両方が重要です。

食事で摂取するカロリーを減らし、運動で消費するカロリーを増やすことが、効果的なダイエットにつながります。

しかし、

実は運動におけるカロリー消費量は少ないです。

ウォーキングの様な運動では20分やって自分の体重分のカロリー消費になります。

50kgの人は1時間歩いて150kcal程度のカロリー消費になります。

ハーゲンダッツのバニラ1カップで244kcalなので、ジムの帰りにご褒美を食べたらすぐに帳消し、むしろプラスになります。

なので、たまにジムに通い出してから太る人がいますが、消費カロリーとご褒美のバランスが悪いケースがあります。

そのため、運動は即効性を期待するというよりは、今後の太りにくい体づくり、減量した体重をキープするためのものだと考えましょう!

長期の投資です、積み立てNISAみたいなものです。

そのため、まずは食事が重要となります。

生活習慣病対策でダイエットする場合、体重の5〜7%痩せると効果が出てきます。

例:60kgの人なら3〜5kg

これくらいであれば、食事を管理するだけで痩せます。

ただ、「もっと痩せたい」「引き締まった体にしたい」「食べても太らない体にしたい」という方には運動も必要になります。

まずは簡単な運動習慣を作るといいでしょう。

週1回でもいいです。

僕もなかなかハードな運動ができませんので、特に食べてしまった日などに筋トレして消費するようにしています。

実際にやってみる

ダイエットの成功の鍵は、カロリーのバランスを理解し、日々の生活の中で実践することです。

何度も言いますが、大事なのはカロリーを一定数に保ちながら、タンパク質をある一定以上摂取することです。

この両方をクリアするのが以外に難しく、強く意識しないとクリアできません。

以下にいくつか例をあげます。

成人男性の場合(身長170cm 体重70kg)

1日に消費するカロリーは約1600kcalです。

(これは前後しますので、そこまでこだわらなくて良いです)

一応シンプルな計算式は

身長(m)×身長(m)×22=理想体重

理想体重×25〜35=基礎代謝

25:デスクワーク

30:少し肉体労働あり

35:かなり肉体労働あり

(1.7×1.7×22×25=1589kcal)

そのために、痩せるためには1400〜1600kcalに抑える必要があります。

そして、次が重要です。

痩せるためには摂取カロリーの20%程度タンパク質をとる必要があります。

1600kcalの20%となると80g/日となります。

そのため、80gのタンパク質をとりながら1600kcal程度に抑えます。

タンパク質にもカロリーがあります。

豆腐だと50kcalでタンパク質が5g程度です。

そのため、豆腐でタンパク質をとった場合最低でも800kcalは必要です。

サーロインステーキなどは300kcalで18g程度です。

好きなものをなるべく食べたい人は

「なるべくカロリーが低く、タンパク質が豊富」なものでタンパク質を摂りましょう。

例えばプロテインジュースなどは100kcalでタンパク質15g程度取れます。

4本飲めば400kcalで必要なタンパク質70%程度をカバーできます。

1600-400=1200kcal

残りの1200kcalで好きなものを食べながら残りタンパク質を20gカバーするだけで痩せます。

このように、タンパク質をしっかり摂りつつ、カロリーを一定の所で抑えることができるかどうかがポイントです。

好きなものを好きなだけ食べて痩せる事は難しいですが、タンパク質をしっかり確保した後であれば、残りのカロリーで好きなものを食べる事はできます。

カロリー摂取量が多い人の場合

元々の摂取カロリーが多い人は

①自分に必要なタンパク質をとる

②そのタンパク質をとりながら、今のカロリーより-200kcalを目指す。

2500kcal取っている場合は

①125g/日のタンパク質をとる

②タンパク質のカロリーもふまえて、総カロリーを2300kcalにする

先ほども載せましたが、以下にタンパク質の必要量を表に示します。

シンプルに考えたい人

食事に合わせてプロテインジュースをとる

1食に15gのプロテインジュースを摂れば、

2〜3食でタンパク質が30〜45g程度とれます。

普通に3食摂取すれば40〜60g位はタンパク質が取れているはずです。

それで80g程度までタンパク質は行きますから、後は食事のカロリーを毎食100〜200kcal程度下げる(カロリー高そうなものを我慢する)だけで痩せ効果が出てきます。

100g以上のタンパク質が必要な人はおやつの時間にタンパク質を導入しましょう。

タンパク質摂取時の注意点

効率のいいタンパク質

効率のいいタンパク質とは、

  • 「カロリーが低く」
  • 「タンパク質が高い」

ものになります。

このグラフは100kcalに対してのタンパク質量を

図で比較したものです。

細かいデータは食材によって変わりますが、

どんな食材がダイエットむきかわかります。

プロテインジュースやプロテインバーは

種類によってばらつきが強いので、

食べる際にご確認ください。

参考にしたサイトはこちらです。その他の食材についても調べる事ができます。

カロリーSlism - 栄養成分/カロリー計算
カロリーslismは豊富な食品の詳細な栄養成分を見ながら分量を指定してカロリーを知ることができる計算機:元気な生活のための最適なツールです.

本気で体重を下げたいときは

100kcalに対してタンパク質が20g以上の食材を

摂取することがおすすめです。

効率のいいタンパク質の取り方

タンパク質は一回に吸収できる量に限界があります。

一回に摂取する量は多くても30g以内に抑えましょう。

そして、なるべく分けて飲みましょう!

朝、昼、おやつ、夕飯など、なるべく回数を分けます。

現代社会人では2食の人も多くなっています。

そのため、朝食べない人が多いですが、朝にタンパク質を摂取しないと体は筋肉を作るスイッチが入りません。

また、一回に吸収できるタンパク質の量は決まっているので、朝を逃しては行けません。

そのため、朝食べない人ほどプロテインジュースなどでタンパク質だけでもしっかり摂取しましょう。

タンパク質を摂り過ぎるとお腹を壊す

タンパク質は糖質に比べて消化吸収作業が大変です。慣れていない人が急に大量に摂取するとお腹の調子が悪くなりやすいです。

徐々に慣らしていきましょう。

最後に

ダイエットは一人で行うと挫折しやすいものです。しかし、正しい知識と方法を身につければ、必ず成功へと近づけます。

好きなものを好きなだけ食べて痩せられたら最高ですよね。

痩せ薬などさえ飲んでおけば痩せられるなら最高ですよね。

しかし、世の中甘くはありません。

ただ、今回のやり方であれば

「好きなものを食べながら痩せる」事はできます。

僕も大好きなラーメンを毎日食べながら痩せました。

ぜひ今日の話を参考にして始めましょう。

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