定期的に健康診断は受けてますか?
また人間ドックは受けてますか?
そしてこの違いについて理解してますでしょうか?
「毎年やってるから大丈夫」と言う方も注意が必要です。何の項目を何のために受けてるか理解されてますか?
実は項目はさまざまあり、目的によって大事さは変わっていきます。
例えば、がんの検査は項目に入っていますか?
がんは日本人の死因の第1位です。
また、一生のうちに2人に1人はがんと診断されています。
また、次に多い死因は「心臓疾患」です。
こちらは生活習慣病である、高血圧、脂質異常症、糖尿病が引き金となっていきます。
これらを予防するには健康診断や人間ドックが不可欠です。
このように、検診と人間ドックは私たちの健康を守るために不可欠なものです。この記事では、それらの重要性と、どのようにして私たちの生活に取り入れるべきかについて掘り下げていきます。
目次
がん検診の現状とその重要性
ここでは、日本のがん事情について説明します。
最新のがん検診の統計データと分析
日本の3大がん罹患率は
1位:大腸がん
2位:肺がん
3位:胃がん
となっております。
日本の3大がん死亡率は
1位:肺がん
2位:大腸がん
3位:胃がん
となっています。
では皆さんはこれらのがんについてしっかり検診を受けてるのでしょうか?
日本のがん検診受診率
日本のがん受診率は概ね40〜50%程度です。
(参考: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)
先進国のがん受診率
では諸外国はどうなってるでしょうか。
イギリス、フランス、アメリカなどは70%を超えています。
日本はがん検診が非常に遅れています。
なぜがん検診を受ける必要があるのか
ではなぜがん検診をした方が良いのでしょうか
「症状ないから大丈夫」
よくこういう事を耳にしますね。
しかし、これでは大丈夫とは言えません。
なぜなら、がんが症状を出すのは進んでからがほとんどです。
そのため、症状がないから大丈夫とは言えません。
また、がんは早期発見早期治療が重要です。
がんはステージがⅠ〜Ⅳとあり、初期はⅠです。
いわゆる末期がんはⅣと言われます。
こちらのデータではステージによる5年生存率の違いを紹介します。
〇胃がん
- ステージI:97.2%
- ステージⅡ:62.8%
- ステージⅢ:49%
- ステージⅣ:7.1%
〇大腸がん
- ステージI:98.8%
- ステージⅡ:90.3%
- ステージⅢ:83.8%
- ステージⅣ:23.1%
〇肺がん
- ステージI:83.3%
- ステージⅡ:48.8%
- ステージⅢ:22.7%
- ステージⅣ:5.8%
このように、ステージがⅠ→Ⅱになるだけで、生存率がだいぶ下がりました。
このため、がん検診を行い、早期発見・早期治療が重要となります。
受けるべきがん検診
先ほど、がん検診の重要性について説明しました。
ここからは、がん検診ってどんなものを受ければ良いのかを説明します。
(2019年時点でのデータを利用していますのでご了承ください)
(参考: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html)
がん検診の考え方
まずは先に注目したいのは
がん検診は効果が科学的に立証されているものと、されていないものがあります。
そのため、積極的に行いたいのは科学的根拠が立証されているものです。
先ほども言いましたが、がんは進んで行くと死亡率が上がっていきます。
この進んでいくスピードががんによって変わります。
そのため、スピードが早いものは死亡率の高いがんとなります。
良くテレビなどでも出てくる膵臓がん、これは初期で見つけるのはかなり難しく、そのため死亡率が高いがんとなります。
一部の人を除き、がん検診をしても効果は乏しいとされ、がん検診の効果は乏しいとされます。
逆に大腸がんなど年単位で経過が進んで行くものが多く、定期的にがん検診をすることで早期発見・早期治療が行われています。
このように、まずは効果のあるがん検診からやっていきましょう!
科学的根拠のあるがん検診
ここから、根拠が立証されているがん検診について紹介していきます。
胃がん検診
日本で胃がんは罹患率が高く、死亡率も高いがんです。しかし、定期的な検査を受けることで早期発見・早期治療が可能です。
40歳以上から受けることを推奨されます。
検査は「バリウム検査」「胃カメラ」
主流なのはこの2つになります。
直接2つの検査を比べたものはないですが、一般的に胃カメラの方が優れていると考えられます。
また、バリウムでひっかかった場合は胃カメラになるので、どちらも選べるのであれば胃カメラがおすすめです。
大腸がん検診
日本では罹患率が高く、死亡率も高いです。
しかし、大腸がんに対するスクリーニング検査は確立されてきています。
40歳以上から受けることを推奨されます。
大腸がんの多くはまずポリープができ、それがだんだんとがんに変わっていきます。
がんになるリスクは大きくなるにつれて上昇していくため、ある程度の大きさになったら取った方が良いです。
その目安が6mm前後となりますが、施設によって方針が少し変わります。
ポリープを取ることにより、がんの発生を抑える意味合いがあります。
そのため、現代医療のなかで、最も早期発見・早期治療が行いやすい癌になってきているのではないでしょうか。
検査方法は「便潜血」「大腸カメラ」
この2つが主流です。
大腸カメラの方が精度は高いですが、大変なので、便潜血を行うことが多いです。
便潜血は毎年行うことが推奨されます。
便を2日に分けて採取して検査します。
2つとも陰性であれば問題ないとされます。
1つでもひっかかれば大腸カメラをしましょう。
便潜血検査でもしっかりやることによって大腸がんの死亡率を14%減少したという報告もあります。
(Johannes Blom et al. Routine Fecal Occult Blood Screening and Colorectal Cancer Mortality in Sweden. JAMA Netw Open. 2024.)
肺がん検診
肺がんは罹患率も高く、死亡率も高い癌となっています。
タバコが最大のリスクとなります。
40歳以上から受けることを推奨されます。
検査は「レントゲン」「CT検査」
この2つが主流です。
レントゲンは簡易で多くのクリニックで行える検査です。
しかし、簡易であるため限界があります。
最近ではリスクが高い人は年1回のCT検査が推奨されます。
きっちりチェックしたい人はCT検査がおすすめです。
リスクは以下の通りです
- 1日1箱 30年吸っている人
(1日2箱なら15年です)
かつ
- 15年以内に喫煙歴のある人
CT検査とはドーム状の装置に横になって入ってもらう検査です。
検査自体は苦痛がなく、すぐに終わります。
ただ、クリニックでは置いていない病院が多いので、検査を希望される場合は事前に置いてあるか問い合わせましょう。
何より大事なのは禁煙です。さらに定期的に検査を受けて、早期発見に繋げましょう。
乳がん
女性の中では最も罹患率の高い癌です。
死亡率は第4位となっています。
50歳以上の人はマンモグラフィー検査が推奨されます。1〜2年に1回受けましょう。
子宮頚がん
女性罹患率第5位です
21〜65歳の人に推奨されます。
3年毎の細胞診検査を行うか、
5年毎の細胞診検査+HPV検査(ヒトパピローマウイルス)
が推奨されます。
ヒトパピローマウイルスとは性行為でうつるウイルスの1つです。
性行為を行う全ての人に感染リスクがあります。
細胞診とは子宮を綿棒で擦って細胞をとり、顕微鏡で、検査するものです。
HPV検査は細胞診でとった細胞を検査することで行えます。
以上が推奨根拠が高い癌となります。ぜひ検討してください。
健康診断と人間ドックとがん検診の違いと相互関係
ここまで、がん検診について説明してきました。
ここからは健康診断と人間ドック、がん検診の違いについて説明します。
がん検診とはがんの検査をするものなので
健康診断、人間ドックどちらにも属しています。
健康診断の中にがん検診が含まれている場合もあるし、含まれていないから別で人間ドックでがん検診を追加する人もいます。
では、健康診断と人間ドックの違いはなんでしょう。
健康診断と人間ドックの違い
きっちり分けるのは難しいですが、
最大の違いは、
- 健康診断はある程度決まっていて、がん検診が含まれていない場合がある、そのかわり会社、または市が助成してくれる。
- 人間ドックは自分で好きなものを好きなだけ選べる(検査による不利益がなければ)、その代わり全額自己負担となります。
会社の福利厚生でがん検診をオプションでつけられる場合は上記のがん検診をつけましょう。
市の検診でオプションがつけられるならばつけましょう。
人間ドックの利点
人間ドックは自己負担だから、健康診断の方がいいという方も多いと思います。
しかし、人間ドックにはしっかりとした利点があります。
それは市の検診の場合はできる検査とできない検査があります。
例えば大腸がん検診に対して市の健康診断では
「便潜血」になります。
しかし、大腸カメラの方が精度が高いので、大腸カメラをやりたいと思ってもできません。
その点人間ドックであれば自分で選ぶ事ができます。
このように、精度をより高めたい場合は人間ドックの方が有用なケースがあります。
また、健康診断で行えるがん検診は科学的根拠の高いものしか選べません。
例えば「膵臓がん」が心配だから、その検査をやりたいと思っても、今のところ膵臓がんに対する検診は科学的根拠がないので受けれません。
しかし、人間ドックであれば選ぶ事ができます。
まとめ
- 健康診断
助成があるので安価である、その分検査が限定的です。
- 人間ドック
全額負担なので、高額ですが、好きなものを選べる、精度の高い検査を選ぶことも自由です。
さいごに
健康は未来への投資です
私たちの健康は、日々の選択によって形作られます。健康診断とがん検診と人間ドックは、その選択を賢明なものにするための重要なツールです。これらの検診を受けることで、私たちは自分自身と家族の未来を守ることができます。
これらの検診を定期的に受けることは、長期的に見て、健康で充実した生活を送るための最良の投資です。
今回の記事を読んで、ぜひ検査を考えるきっかけになれば幸いです。
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