健康診断で「中性脂肪が高い」、「最近お腹周りがでてきたな〜」、「メタボじゃないの?」など言われたことはありませんか?
それは危険な兆候かもしれません。
中性脂肪とは、私たちの体内でエネルギー源として使われる脂質の一種です。しかし、これが過剰になると、健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
この記事を通じて、中性脂肪を効果的に管理し、
健康な生活を送るための秘訣をお伝えします。
目次
中性脂肪が高いとどうなる?
中性脂肪の数値が高いと、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクが高まります。
中性脂肪が血管内に過剰に蓄積することで、血流が悪化し、心臓や脳への負担が増大するからです。
わが国の疫学調査でも同様に非空腹時中性脂肪が165 mg/dL以上で心筋梗塞、労作性狭心症、突然死、虚血性心血管疾患発症リスクが増加することが示されています。
(冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン 2023改訂版)
中性脂肪を下げる生活習慣
中性脂肪を下げるためには、バランスの取れた食事と適度な運動が不可欠です。
例えば、オメガ3脂肪酸を多く含む青魚を積極的に摂取することが推奨されています。
また、週に180分以上の有酸素運動を行うことで、中性脂肪の数値を改善することが可能です。
1日60分やるなら週3回です。 1日30分なら週6回です。
運動はなんでもいいですが、特に効果的なのは速歩、スロージョギング、社交ダンス、水泳、再栗イング、などの少し負担がかかるくらいの運動がいいです。
中性脂肪を下げるための食品&レシピ
中性脂肪を下げるためには、食生活の見直しが欠かせません。そこで、中性脂肪を下げる効果が期待できる食生活を紹介します。
アルコール摂取を減らす
アルコールは肝臓だけでなく、中性脂肪にも影響を与えます。
アルコール摂取量は20g/日以下にしましょう。
糖質の摂取量を減らす
甘い物はもちろん、炭水化物も糖質となります。
ご飯、パン、麺類なども注意しましょう。
n3系多価不飽和脂肪酸を多く含む魚を食べる
n3系多価不飽和脂肪酸は必須脂肪酸です。
体に必要なものであり、体内では作れません。
これを多く含む魚は青魚です。
アジ、サバ、イワシを摂取しましょう。
脂身の多いお肉の代わりに青魚を食べてタンパク質をとれるといいです。
参考文献: https://www.med.or.jp/dl-med/jma/region/dyslipi/ess_dyslipi2014.pdf
薬物療法
食事や運動だけではなく、薬による治療も一つの選択肢です。
空腹時で150mg/dL、随時で175mg/dL以上で脂質異常症となります。
薬の適応
・薬の絶対的適応は500mg/dL以上の場合です。
動脈硬化だけでなく、膵臓の炎症を起こすリスクも高まるので治療が必要です。
生活改善と共に薬を開始します。
・500mg/dL以下の場合は放置していいわけではありません。
まずは生活習慣の改善を行い経過を見ます。
またLDLコレステロールが高い場合はそちらの治療が優先されます。
LDLコレステロールについてはこちらを参照してください。https://sougou-naika.com/cholesterol/
薬の種類
n-3系多価不飽和脂肪酸(イコサペント酸エチル、オメガ3脂肪酸エチル)
いわゆる魚油を利用した薬です。
コレステロールを抑えるスタチン系という薬を使っている患者様が中性脂肪も高い場合にこの薬を併用すると脳卒中や心筋梗塞などの発症率を低下させたと言う報告があります。
(動脈硬化予防ガイドライン2022年版)
フィブラート系
中性脂肪を下げる主流の薬です。
中性脂肪の数値自体を下げるには上記の薬(n-3系多価不飽和脂肪酸)より効果的です。
しかし、心筋梗塞などの予防効果は確固たる決まりはありません。
現状では動脈硬化リスク(高血圧、糖尿病、LDLコレステロール高値など)が高い人では治療すべきと考えます。
中性脂肪と他の疾患との関連
中性脂肪は、糖尿病や心疾患など、他の疾患とも密接に関連しています。
そのため、メタボリックシンドロームの診断項目にも入っています。
生活習慣病は1つ持ってる人は他も発症することが多いので、全身チェックが必要です。
さいごに
いかがでしたか?この記事を通じて、中性脂肪の重要性と、それを管理するための具体的な方法を理解していただけたでしょうか。今日からでも始められる、中性脂肪を下げる生活習慣を、ぜひ実践してみてください。
健康診断で指摘された場合はまず相談してみましょう。
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