コレステロール管理は、健康な生活を送るための重要なステップです。私たちの体は、コレステロールを必要としていますが、過剰なコレステロールは心臓病や脳卒中などのリスクを高めます。この記事では、科学的根拠に基づいた方法でコレステロールを効果的に管理する方法をご紹介します。
目次
コレステロールとは
コレステロールは、細胞膜の構成要素であり、ビタミンDやホルモンの生成に不可欠です。しかし、LDL(悪玉コレステロール)が多すぎると、動脈壁にプラークを形成し、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。一方、HDL(善玉コレステロール)は、余分なコレステロールを肝臓に運び、体外に排出する役割を果たします。
日本人で無治療でLDL-C:140mg/dL相当を超えている頻度は男性で26%、女性で32%と報告されています。
(令和元年国民健康・栄養調査報告参照)
コレステロールが高い人の特徴
まず、コレステロール値が高いとされる人々の特徴を見てみましょう。
運動不足、遺伝的素因、そして肥満は高コレステロールの主な原因とされています。これらの要因は、生活習慣病の発症に直結し、私たちの健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
お父さんやお母さんがコレステロール高いと、遺伝的素因を持っている可能性があります。
コレステロールのリスク
心筋梗塞や脳梗塞は、高コレステロールによる健康リスクの一例です。これらの病気は、血管内のコレステロールが蓄積し、血流を阻害することで発生します。
よく症状ないから平気と考えている患者様は多いですが、症状が出るころには心筋梗塞などになっているので、症状に繋がる前に治療することが大事です。
LDLコレステロールの重症度は
- 年齢
- 性別
- 喫煙
- 血圧
- HDLの低さ
- LDLの高さ
- 糖尿病
- 家族歴
などから決まります。
高リスク患者では10年間で心筋梗塞発症率が9%以上(約10人に1人は心筋梗塞に!!)と言われています。
自己判断せずに病院で相談しましょう!
コレステロールを下げる方法
コレステロール値を下げる方法としては、食事療法、運動療法、そして薬物療法があります。特に食事療法では、飽和脂肪酸の摂取を減らし、不飽和脂肪酸を多く含む食品を選ぶことが推奨されています。また、運動療法では、定期的な有酸素運動がHDLコレステロール(善玉コレステロール)の増加に寄与し、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の減少を促進します。
食事療法:美味しく健康に
食事はコレステロール管理の鍵です。飽和脂肪酸が少なく、食物繊維が豊富な食品を選びましょう。例えば、オートミールやアーモンドは、LDLコレステロールを下げるのに効果的です。また、オメガ3脂肪酸を多く含む魚も、心臓に良いとされています。
また、コレステロールに対して
- 野菜
- 果物
- 青魚
- 大豆
この辺を積極的にとり、
- 脂身
- 脂質の高いもの
この辺は減らしていきましょう。
運動療法:楽しく体を動かそう
定期的な運動は、HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールを減らす効果があります。ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、楽しんで続けられる運動を見つけましょう。
薬物療法
主に使われているのはスタチン系と呼ばれる薬です。
世界的にも有名であり、コレステロールの薬として第一選択です。
心筋梗塞後にも有効であり、使われています。
基本的に世界的に使われていて、安全ですが、有名な副作用が横紋筋融解症です。「足がつりやすくなる」「全身の筋肉痛」などを認めます。 体質的に合わない人はどうしてもいるので、服用中にこのような症状がある場合は相談しましょう。
生活習慣の改善
睡眠、ストレス管理、運動、禁煙など、日々の生活習慣がコレステロールに影響を与えます。質の良い睡眠を取り、ストレスを適切に管理することで、コレステロールレベルを改善することができます。
遅すぎることはありません、少しずつ始めていきましょう。
Q&Aセクション
ここでは、実際の外来でよくある質問に関して紹介します。
「コレステロールの薬はいつまで飲むの?」
コレステロールの薬をはじめ、生活習慣病の薬は数値を改善させる効果はありますが、根本を治す薬ではありません。
そのため、薬を飲んで数値が安定してもやめたら元に戻る場合が多いです。
例えば
180の人が薬を飲んで130になったとします。(だいたい薬の力で50下がっています)
なので10年飲み続けて130をキープしている場合はやめると180に戻ります(これは薬の効果で50下げているだけなのでやめると戻ります)
なので、安定したからといって、自己判断で中止するのは危険です。
「コレステロールの薬は飲みはじめたらやめられないんでしょ?」
この質問もすごく多いです。これは多くの方が勘違いされています。
結論から言うとやめられます、しかし、やめるには条件があります。
上記の質問の答えとも連動していますが
薬の効果で下がった分はやめると戻ります。
180の人が、薬を飲んで130になった場合
ずっと130の場合はやめると元に戻る可能性が高いのでやめられません。(薬の力で50下げているので、やめると130→180になる可能性が高いからです)
しかし、だんだんと生活習慣を変えていき
130→80と改善を認める場合はやめられる可能性があります。(薬で50、自力で50下げているので、やめても80→130程度で収まることが予想されるので)
このように、生活習慣を変えていけばやめることができます。
なので、忙しい人ほど
薬を始め、少しずつ生活習慣を改善していき、長期スパンで薬をやめる道がおすすめです。
数値があまり高い人は放置するとぐんぐん動脈硬化が進みます。
薬を飲めば進み具合を緩やかにすることはできますが、進んでしまった動脈硬化は取り戻せません。
なので、「薬を始めるとやめられないから始めたくない」という人は考え方が間違っています。
薬はやめられます!
現在の数値などを元に病院でぜひ相談してみましょう!
さいごに
コレステロール管理は一朝一夕にはいかないものです。しかし、正しい知識と行動で、健康な体を手に入れることができます。今日からでも、小さな一歩を踏み出しましょう。
薬について悩んでいる人はぜひ一度相談してみてください。
コメント