高血圧は、サイレントキラーとも呼ばれます。
なぜなら、その症状は目立たないものの、放置すると命に関わる病気へと進行するからです。日本では、成人の約3人に1人が高血圧の影響を受けていると言われています。しかし、この数字はただの統計ではありません。これは、あなたやあなたの大切な人が直面する可能性のある現実なのです。
この記事を読んで、高血圧について理解し、自宅で出来る5ステップを活用してください。
目次
高血圧とは
高血圧とは、血管に流れる血液が持つ圧力が常に高い状態を指します。
概ね家庭血圧で130/80mmHg未満であれば正常です。
140/90mmHg以上であれば高血圧となります。
一概に数字だけでは言えず、年齢やタバコ・アルコールや基礎疾患などで対応は変わります。
高血圧の原因
高血圧には二つのタイプがあります。
・本態性高血圧
本態性高血圧は、特定の原因が見つからないもので、生活習慣や遺伝が関係しています。
原因の9割はこちらになります。
・二次性高血圧
二次性高血圧は他の病気が原因で発生します。
こちらは頻度は少ないですが、コントロール不良の高血圧になりやすく、根本治療が必要になりますので注意が必要です。
以下のチェック項目に当てはまる場合は1度病院で相談しましょう。
- 30歳未満または55歳以上で新規発症
- 薬剤抵抗性(最大容量の降圧薬3種類以上)
- 特に誘因のない低K血症
- 動機,頭痛,発汗
- 重度の血管疾患(冠動脈,頸動脈,末梢動脈疾患)
- 肥満、いびき、眠気
高血圧のリスクと合併症
高血圧がもたらすリスクは計り知れません。心筋梗塞や脳卒中、腎不全など、命に関わる病気を引き起こす可能性があります。
高血圧患者は高血圧でない患者より心血管疾患の生涯リスクが高く、平均して5年早く心血管疾患を発症するという報告があります。
心血管疾患とは「脳内出血」「くも膜下出血」「狭心症」なとです。
Eleni Rapsomaniki et al. Lancet. Blood pressure and incidence of twelve cardiovascular diseases: lifetime risks, healthy life-years lost, and age-specific associations in 1·25 million people. 2014.
高血圧の予防と管理
ステップ1:食生活の見直し
あなたの食卓には、高血圧のリスクを高める隠れた敵が潜んでいるかもしれません。塩分の過剰摂取は、高血圧の最大のリスクです。
そのため、塩分を控えることで、そのリスクを大幅に減らすことができます。
塩分摂取量の目標は男性で1日7.5g、女性で6.5gです。コントロール不良の高血圧がある場合は1日6g未満です。
(日本人の食事摂取基準2020年版)
平均摂取量は男性で11g、女性で9gとなっていて、かなり摂取量が多いです。
ステップ2:定期的な運動
運動は、高血圧と戦うための強力な武器です。週に数回の軽い運動をするだけで、血圧を下げる効果が期待できます。
週に150分程度の運動が推奨されます。
ステップ3:体重管理
体重管理はとても大切です。
-1kg毎に血圧は0.5〜2mmHg低下するという報告もあります。
(V J Stevens et al. Arch Intern Med. Weight loss intervention in phase 1 of the Trials of Hypertension Prevention. The TOHP Collaborative Research Group. 1993.)
ステップ4:節酒
アルコールは、血圧に悪影響を及ぼします。節酒は、高血圧を予防し、既に高血圧である場合にはその状態を改善するための重要なステップです。
アルコールは男性でビール500ml、女性で350ml以上摂取するとリスクとなります。
また、アルコールを摂取する際に塩分を摂ることが多いので注意が必要です。
ステップ5:定期的な健康診断
血圧は自覚症状がなくても進行します、「症状がないから大丈夫」とは言えません。
定期的な健康診断を受けることで、高血圧の早期発見と早期治療が可能になります。
上記の5ステップを行っても下がらない場合は薬物療法が必要になってきます。
医師と相談し、自分に合った治療法を見つけましょう。
最後に
高血圧は、あなたの生活習慣によって大きく左右されます。今日からでも遅くはありません。この記事で紹介した5つのステップを実践し、健康な生活を取り戻しましょう。あなたの一歩が、大きな変化を生むのです。さあ、今すぐにでも始めましょう!
コメント