その寝汗、病気のサインじゃないですか?(総合内科医が解説)

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あなたは夜中に目覚めて、自分が汗でびしょびしょになっているのに気づいたことはありませんか?この現象は「寝汗」と呼ばれ、多くの人々が経験しています。しかし、寝汗は単なる不快な夜の出来事ではなく、時には私たちの健康状態に関する重要なサインかもしれません。

今回の記事を読んで、危険な寝汗ではないかチェックしましょう!

寝汗のメカニズム

人間の体は、体温調節の一環として汗をかきます。睡眠中にもこのプロセスは続き、特にREM睡眠中に体温調節が活発になります。しかし、寝汗が過剰になると、それは何らかの異常の指標となる可能性があります。

寝汗のセルフチェック

  • 下着までびっしょり濡れる
  • 夜間に何度も着替える
  • 暑くもないのに汗をかく
  • 顔から上だけ汗をかく
  • 熱が出る
  • 痩せてしまう
  • 食欲がない

上記項目に当てはまる人はすぐに病院で相談しましょう。

寝汗の原因と検査

寝汗の背後には様々な原因があります。

ここでは

  • 感染症
  • 内分泌疾患
  • 悪性腫瘍
  • 更年期

など、代表的なものを紹介します。

感染症

さまざまな感染症で汗をかきます。インフルエンザなどで寝ている時に汗だくになった経験があるのではないでしょうか

一過性であれば風邪などを疑いますが、慢性的に寝汗が続いている場合、「結核」などの慢性感染を除外する必要があります。

検査としては血液検査や画像検査で診断していきます。

内分泌疾患

ホルモン異常による発汗です。

  • 「甲状腺機能亢進症」
  • 「褐色細胞腫」

などがあります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが異常にでてしまう状態です。

甲状腺機能亢進症に関しては以下を参照してください。

褐色細胞腫

褐色細胞腫とはホルモンをたくさん出す良性腫瘍です。このホルモンには交感神経を刺激して、興奮させる作用があります。

そのため、突然高血圧になったり、立ち上がる時にふらっとしたり、汗をかいたりします。

検査は血液検査、画像検査で調べます。

悪性腫瘍

悪性腫瘍とはいわゆる「ガン」です。

特に寝汗関連があるのが悪性リンパ腫という「血液のガン」です。

盗汗と言われ、下着がびっしょりになるくらい汗をかきます。

これに、発熱、体重減少も認めると疑いは強くなります。

検査は血液検査や画像検査、リンパ節が腫れていればそこの組織をとります。

更年期障害

女性に多い病気ですが、男性にもあります。

女性は50歳前後での発症が多いです。男性ははっきりしていません。

女性ホルモンや男性ホルモンの変動により症状が出ます。

女性で有名な症状はホットフラッシュです。

顔の部分が熱くなり、汗をかきます。

その他に動悸や情緒不安定など様々な症状が出ます。

発熱や体重減少などを認める場合は、別の病気である可能性があるので、注意が必要です。

検査は血液検査でホルモン値を測定したり、

その他に怖い病気がないかを確認する作業が中心となります。

対策と解決策

上記であげた病気がある場合はその原因疾患の治療をしましょう。

明らかな病気がなく、汗をかいている場合は以下の方法を試してみましょう。

病院でできること

特別な原因でなければ漢方薬が効果的です。

〇もともと汗っかきのような人で、夏などに暑さをすごい感じる方には以下の薬が有効です。

  • 「黄蓮解毒湯(おうれんげどくとう)」

更年期のホットフラッシュなどにも使ったりします。体を冷ましてくれます。

毎日飲むというよりは困った時に使うのが良いでしょう。

  • 「白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)」

熱中症などにも使います。

喉が渇いて、火照りが止まらないに有効です。

〇暑さを感じてないけど汗が出る方には以下の漢方を使います。

  • 「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」

暑くないけど汗が出る状態を東洋医学では気が足りていない(疲れている)状態と考えます。

そのため、この漢方で気を追加します。

参考:漢方処方 定石と次の一手 

自宅でできるもの

寝汗に悩まされているあなたに、今夜からでも試せる具体的な対策を紹介します。

例えば、

  • 寝室の温度を調節する

暑い時期に汗が多い場合は有効です。

直接の冷気が苦手な場合は別の部屋でつけて対応したり、扇風機を活用しましょう。

  • 通気性の良い寝具を使用する

ぜひご自身に合うものを探しましょう。

  • 就寝前のリラックス法を取り入れる

週に3〜4回の運動は精神を安定させるのに有効です。

ただし、運動は就寝の3〜4時間前までにしましょう。

最後に

いかがだったでしょうか。寝汗は日常生活で起こる現象ですが、時には怖い病気も関連しています。

今回の記事を読んで、「もしかして?」と感じたら病院で相談しましょう。

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