「いびきがうるさい」「寝ても寝ても眠いな…」こんな経験ありませんか?
もしかしたら、無意識のうちに「無呼吸」の瞬間に苦しんでいるのではないでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群は、一晩中に何度も呼吸が停止する状態を指し、これが繰り返されることで、心臓病や糖尿病などの重篤な健康問題を引き起こす可能性があります。
睡眠は人間が体を休ませる唯一の時間です。睡眠時無呼吸症候群の人は寝ている間ずっとチベットの薄い酸素の中でトレーニングしているようなものです。
なので1日中体に負担がかかっています。
今回の記事では睡眠時無呼吸症候群について解説します。
もしかして…と思った人は病院で相談しましょう。
また、なかなか病院に行けない人の為に、お家でできる対処法も紹介します。
目次
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する病態です。閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、喉の筋肉がリラックスしすぎて気道が塞がれることで起こります。これらは、睡眠の質を大幅に低下させ、日中のパフォーマンスにも影響を及ぼします。
疫学
有病率は50歳で女性が10%弱、男性が10〜20%弱と言われています。
合併症
睡眠時無呼吸症候群があると
- 高血圧
- 心筋梗塞
- 不整脈
- 心不全
- 脳卒中
のリスクになる事が報告されています。
(睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン 2020)
どんな人がなりやすいのか?
OSASは構造の問題です。
肥満、高齢、男性、小顎であることはOSASのリスクとなります。
最も関与が強いのは肥満です。
(睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン 2020)
睡眠時無呼吸症候群の兆候と症状
このような症状はありませんか?
- いびき
- 日中の過度な眠気
- 集中力の低下
- 頭痛
- 倦怠感
- 健康診断で多血といわれる
- 夜間に苦しくて目が覚める
- コントロール不良の高血圧
SASの一般的な兆候です。
1つでも当てはまる場合は病院で相談しましょう。
これらの症状は、仕事や日常生活におけるあなたの能力に悪影響を及ぼす可能性があります。
診断と治療の選択肢
SASの診断は、睡眠検査を通じて行われます。
簡易検査
自宅で簡単にできる簡易検査です。
簡単ですが、精度は落ちます。
AHI(無呼吸低呼吸指数)40以上で確定診断となります。
AHIの値によっては精密検査を行い、治療が必要かどうか判断します。
PSG検査(ポリソムノグラフィー)
睡眠時無呼吸症候群の検査で最も重要な検査です。
精密に検査する事ができますが、一泊入院する必要があります。
こちらの検査ではAHI20以上で治療適応です。
治療
ここから治療を説明します。治療には
- CPAP
- マウスガード
- 減量
- その他
とあります。
CPAP
1番効果的な治療はCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)です。
- 簡易検査AHI40以上
- PSG検査AHI20以上
で適応となります。
CPAP治療は自宅で行います。
マスクみたいなのをつけて夜寝るだけです。
日中の眠気、頭痛、倦怠感などの自覚症状が改善します。
また、合併症を減らす事も報告されています。
自覚症状がないとなかなか続けられない方もいますが、自覚症状がなくても合併症を減らす事ができるので必ず続けましょう!
マウスピース
CPAP以外の治療法としてマウスピースがあります。こちらも効果は立証されています。
- CPAPの適応にはならないが睡眠時無呼吸症候群がある
- CPAPは使いたくない
という人に有効です。
歯科または口腔外科に相談しましょう。
減量
ダイエットは自力で治すための最も有効な方法です。肥満を合併している場合には有効ですので
まずはやってみましょう。
その他
ここからは自宅で出来る補助療法です
・アルコール
アルコールを飲むと睡眠時無呼吸症候群が増悪するので、アルコールを減らしましょう。
・横を向いて寝る
人によっては仰向けで寝る事で睡眠時無呼吸症候群を増悪させている人がいます。
横向きを試してみましょう。
・鼻詰まり
花粉症や蓄膿症で鼻が詰まっている人は睡眠時無呼吸症候群を増悪させる可能性があるので、対処してみましょう。
最後に
睡眠時無呼吸症候群は、見過ごされがちですが、私たちの健康にとって非常に重要な問題です。早期発見と治療により、健康な睡眠を取り戻し、日々の生活の質を向上させることができます。
今夜、あなたの睡眠を見直して、ぜひ相談してみましょう!
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