私たちの日常生活において、突然のめまいや吐き気、下痢に見舞われることは珍しくありません。これらの症状は一見無関係に思えますが、実は自律神経のバランスが大きく関与しています。自律神経障害は診断が難しい病気です。この記事では、これらの症状がどのように関連しているのか、そしてそれらを引き起こす自律神経失調症について掘り下げていきます。
この記事を読めば
- 自律神経障害とは
- 自律神経と関連する病気
- 自律神経以外の原因
について解説します。
めまい、吐き気、下痢について理解して、少しでも症状改善の糸口になればと思います。
目次
自律神経障害とは
ここでは自律神経について説明します。
自律神経とは
自律神経は交感神経と副交感神経があります。
・交感神経は興奮させる神経です。動物がジャングルの中で天敵と出会った時の状態です。
・副交感神経はリラックスする神経です。のんびりと日向ぼっこしている時の状態です。
自律神経の症状
日頃、この2つの交感神経と副交感神経を切り替えて生きています。
適切に切り替えられないと、天敵と会った時にリラックスしたり、リラックスするはずの睡眠時に興奮して寝れなかったりと様々な異常がでます。
代表的な症状を以下に羅列します。
- 動悸などの脈拍異常
- 排便、排尿異常
- 発汗異常
- 勃起障害
- 立ちくらみ
などなど
自律神経障害の原因
様々な原因があります。明らかな原因がない場合もありますが、病気による合併症の場合は注意が必要です。
まずは原疾患を精査するために、病院に受診するのをお勧めします。
ここで、日常診療で遭遇率の高い疾患を紹介します。
- 糖尿病
生活習慣病であり、日々の診療で良く見る疾患です。糖尿病の合併症として、神経障害を認めます。血液検査で糖尿病がないか確認しましょう!
- パーキンソン病
体が硬くなり、動きにくくなる疾患です。歩行障害や震えを認めます。転ぶことが増えているようなら心配です。
病院で診察を受けましょう。
自律神経と関連する病気
ここから、自律神経障害と関連する疾患の一部を紹介します。
迷走神経反射とは?
迷走神経反射は、自律神経の一部である迷走神経が過度に刺激されることで発生します。この反射により、心拍数が低下し、血圧が下がり、結果としてめまいや吐き気を起こす場合があります。症状がひどいと失神します。
症状が出現する前にドキドキを感じたり、倒れそうと感じることが多いです。
環境の変化が引き起こす自律神経失調症
寒暖差や気圧差は大きな影響を与えます。
めまいや吐き気や下痢以外にも頭痛などを認めることがあります。
季節の変わり目に調子が狂う、雨の日に調子が悪い人はこの可能性が高いです。
自律神経以外の原因
自律神経以外にも、めまいや吐き気や下痢の症状を起こす疾患があります。代表的な疾患を紹介します。
胃腸炎
食中毒や胃腸炎は、下痢と吐き気を引き起こす一般的な原因です。特にノロウイルスなどのウイルス感染が原因であることが多く、適切な衛生管理と予防策が重要です。
嘔吐や下痢を頻回に起こすと脱水となり、ふらふらします。そのため、めまい症状を感じる場合があります。
胃腸炎は自然回復するものが多いですが、症状が強い場合は「重症の場合」や「別の病気の可能性」があるので病院を受診しましょう。
末梢性めまい
めまいの原因は大きく分けて脳が原因の場合と耳が原因のものに分かれます。
- 脳の病気は脳卒中や脳腫瘍などがあります。
- 耳の病気は平衡感覚を司る三半規管の異常や聴力の異常でおきたりします。
耳の聞こえが悪い場合、上手く歩けない場合は必ず病院を受診しましょう。
過敏性腸症候群(IBS)
腸自体に病気はないですが、腸に関連する症状が出現します。
IBSは腹痛や下痢、吐き気、食欲不振などの症状を引き起こし、日常生活に影響を及ぼすことがあります。
ストレスと密接に関係しているため、ストレスで症状が悪化することが多いです。
詳しくはこちらのページを参照してください。
最後に
めまい、吐き気、下痢は日常生活で良く見る疾患です。自律神経を始め、様々な原因で起こります。症状が強い場合は病院で相談しましょう。自律神経障害の治療は難しいため、かかりつけ医としっかり相談していくことが重要です。
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