「最近眠れない」と感じることはありませんか?それはもしかしたらバセドウ病のせいかもしれません。
今回は
- バセドウ病について
- 不眠との関連
- 対処法
について解説します。症状が当てはまる方は、病院を受診して治療を受けましょう!
目次
バセドウ病とは
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)は、免疫異常により甲状腺ホルモンの過剰分泌によって引き起こされる病気です。甲状腺ホルモンは代謝をコントロールしてくれるもので、バセドウ病ではこのホルモンが正常よりも過剰に生成されます。その結果、さまざまな症状が現れます。
●疫学
バセドウ病は1000〜2000人に1人と言われています。
(バセドウ病治療ガイドライン2019)
●症状
代謝が亢進しているため、食欲は増しますが体重は減少します。体は活発的に動きますが疲れやすく、動悸や手の震え、過剰な発汗などが現れます。また、精神面では情緒不安定になることもあります。
更年期障害との混同もあるため注意が必要です。
●検査
診断は血液検査と超音波検査で行います。甲状腺ホルモン(TSH, FT-4, FT-3)やバセドウ病に対する自己抗体を調べ、超音波で甲状腺の状態を確認します。
心配な方や更年期かも?と思った方は一度検査を受けてみてください。
不眠とバセドウ病の関連
バセドウ病患者は、代謝が活性化しているため、絶えず興奮している状態です。そのため、不眠症状を経験することがあります。夜間に動悸や息苦しさを感じたり、イライラ感が増加したりして眠りにくくなることが考えられます。
睡眠薬などを飲んでも効果は期待できません。まずはホルモンを抑える治療が必要です。
バセドウ病患者の治療
バセドウ病の治療には以下の選択肢があります。
薬物治療
- 抗甲状腺薬: ホルモンの働きを抑えます。
- ヨウ素補充: 初期治療に使用。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になります。長期使用は注意が必要です。
- 抗不整脈薬: 甲状腺ホルモンによる不整脈を緩和します。
アイソトープ治療
放射性ヨウ素を取り入れて治療します。この治療は、抗甲状腺薬の副作用が強い場合や根治を望む場合に検討されます。ただし、妊娠中、授乳中、妊娠を希望される方は使用できません。将来的に甲状腺機能が低下する場合が多く、その際には甲状腺ホルモンを補充する必要があります。
手術
治療が難渋する場合や甲状腺が非常に大きくなっている場合は、手術が推奨されます。手術によって一部または全部の甲状腺を切除し、症状を改善します。
生活指導
バセドウ病患者の生活指導にも注意が必要です。以下のポイントを参考にしてください。
禁煙
喫煙はバセドウ病の発症リスク、治療抵抗性、再発率の上昇と関連しています。禁煙を心がけましょう。
(バセドウ病治療ガイドライン2019)
ストレス
- 肉体的ストレス、精神的ストレスの両方がバセドウ病を増悪させる可能性があります。ストレスを避け、リラックスする時間を持つことが大切です。
(バセドウ病治療ガイドライン2019)
最後に
バセドウ病の症状は意外と気付きにくいことがあります。症状が強くない場合でも、一度血液検査を受けてみることをおすすめします。「もしかして・・・」と思ったら、ぜひ病院を受診してください。
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