不眠と頭痛の危険な兆候と対策(総合内科医が解説)

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「あなたは寝不足で頭が痛い」「頭が痛くて寝れない」と感じたことはありませんか?日常生活で頭痛はよく遭遇する症状ですが、中には命にかかわる危険な状態も存在します。

また、我慢できるレベルだとしても放置していると、生活の質が下がっている可能性があります。

今回は

  1. 睡眠と頭痛の関係
  2. 頭痛で目が覚める怖い病気
  3. よくある頭痛

について解説します。少しでも危険な兆候を感じたら、迷わず病院を受診しましょう!

睡眠と頭痛の関係

不眠と頭痛は密接に関連しています。なぜ寝不足が頭痛を引き起こすのでしょうか?そのメカニズムを探ってみましょう。

  • 不眠と神経系: 寝不足は神経系に影響を及ぼします。交感神経が過度に刺激されることで頭痛が発生する可能性が高まります。
  • 片頭痛患者の睡眠: 片頭痛患者は睡眠不足が頭痛を誘発することが報告されています。

このように、不眠は頭痛を誘発する可能性があります。睡眠時間を確保しましょう。「寝ようとしているけどなかなか寝れない」という方はこの記事を参考にしてみてください。

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また、寝ても頭が痛い経験はありませんか?実は寝過ぎても頭痛が起こることがあります。

  • 片頭痛と寝過ぎ: 片頭痛患者は寝すぎることで頭痛が誘発されることがあります。
  • 睡眠時無呼吸症候群: 無呼吸により酸素が不足するため、頭痛を引き起こすことがあります。

休日にたくさん寝ても頭痛が起きる方は、一度病院で相談してみてください。

頭痛で目が覚める怖い病気

次に、頭痛で目が覚める恐ろしい病気について説明します。

セルフチェック

もし頭痛が眠れないほどひどい場合は、一度検査を受けることをおすすめします。以下は病院で相談すべき症状の一部です。

  1. こんな頭痛初めて:普段から頭痛持ちの方が感じたことのない強い頭痛は病気の可能性があります。
  2. 進行性の頭痛:どんどん悪化する頭痛は病気の兆候です。
  3. 意識障害:意識に影響が出ている場合は脳出血などの可能性があります。
  4. 突然バットで殴られたような痛み:脳出血などに多いパターンです。
  5. 発熱が続いている場合:全身疾患のサインである可能性があります。3日以上続く場合は要注意です。
  6. がんの既往歴:ガンを治療中や治療後の場合、関連している可能性があります。
  7. 50歳以上の初めての頭痛:年齢とともに病気のリスクが増えるため、検査が必要です。

(出典:Thien Phu Do et al. “Red and orange flags for secondary headaches in clinical practice: SNNOOP10 list.” Neurology. 2019)

頭痛の原因

以下はすぐに検査が必要な怖い病気の代表的なものです。

脳出血

脳の血管が切れて出血した状態です。脳卒中やクモ膜下出血などが含まれます。突然バットで殴られたような痛みが典型的です。出血すると手足の動きが制限されたり、意識が悪くなることがあります。症状が出ない場合でも注意が必要です。夜でもすぐに病院を受診しましょう。

髄膜炎

感染症の一種で、脳に栄養を与える髄液が感染します。ウイルス性や細菌性があり、特に細菌性の場合は重症になりやすいです。風邪をひいた後からどんどん頭痛がひどくなり、熱が下がらないことが多いです。首を動かすと痛みが増したり、意識が悪くなったりする場合は、怪しいと感じたらすぐに病院を受診しましょう。

よくある頭痛

片頭痛

片頭痛は、20〜40代の人に多く見られる頭痛の一種です。以下に片頭痛の特徴を紹介します。

  • 視覚異常: 痛みの前に目がチカチカしたり、匂いや音光に敏感になることがあります。
  • 一方の側頭部から始まる: 痛みは一方の側頭部から始まり、徐々に強くなっていきます。
  • 拍動性の痛み: 痛みは拍動的であり、動くとさらにひどくなります。
  • 吐き気やめまい: 痛みとともに吐き気や嘔吐、めまいなどの症状が出ることがあります。
  • 持続時間: 痛みは数時間から数日間続くことがあります。
  • 頻度: 月に4回以上起こることがあります。

市販の痛み止めで症状が改善する場合もありますが、重度の場合は専門の薬を処方してもらう必要があります。また、繰り返し発作が起こる場合は、予防的な治療を行うことで発作の回数や重さを減らすことができます。

片頭痛の特徴は、時間とともに一定のペースで増えるのではなく、急激に増減することがあります。痛みの予兆や発作の始まりを見逃さないように注意しましょう。

緊張性頭痛

緊張性頭痛は、40代以降に多く見られる頭痛です。一般的には「肩こり頭痛」とも呼ばれます。特徴は以下の通りです。

  • 耐えられる痛み: 痛みは耐えられることが多く、仕事に集中しているときは症状が紛れ、一息ついたときに痛みが強く感じることがあります。
  • 午後に出現: 疲れてきた午後から痛みが起きることが多いです
  • 他の病気を除外: 重要なのは、他の病気を除外することです。

治療としては痛み止めが一般的ですが、肩こりを改善することが重要です。日々のストレッチなどの生活改善が最も効果的です。

最後に

いかがだったでしょうか。睡眠と頭痛は密接な関係があります。少しでも危険なサインが当てはまる場合はすぐに病院を受診しましょう。

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